めまい(眩暈)
vertigo
1,「めまい」ってなんですか?
「めまい」は普段よく使われる言葉ですね。
では、どんなものを「めまい」と言うのでしょうか?
*体がぐるぐると回転するように感じる。
*外がぐるぐると回るように感じる。
*体が上下に動く感じがする。
体がふわふわする。
立ちくらみがする。
目の前が真っ暗になって、沈んでいくような感じがする。
意識が遠のいていく感じがする。
体に力が入らない、出ない感じ。
体が地についた感じがしない。
*車から降りてもまだ乗っている感じがする。
*目の前で閃光があると感じる。
衝撃的なことがあると感じる。
*前方回転をすると感じる。
このような色んな「めまい」がありますが、これは大きく2つに分けられます。
真性めまい(*の印)
運動覚・位置覚異常
自分の体や外がぐるぐる回って「めまい」を感じること。
仮性めまい
真性めまい以外のもの
「めまい」の発症時期によっては
突発性
緩徐性
障害の部位によっては
中枢性
末梢性
2,”回転性「めまい」”はどうしておこりますか?
からだの平衡機能は主に前庭器官と三半器官と蝸牛にあります。
この器官ではからだの姿勢と運動の平衡感覚や全身の空間における相対的な位置が感知されます。
また眼球運動も反射的に調整されます。
このときに感知された感覚は前庭神経を経由して延髄の前庭神経核と小脳にいって認識されます。
回転運動や加速運動のときにこの平衡器官が働きますが、このような運動が行われていないのに回転運動とおなじ感覚をうけるとそれが「めまい」として感じられます。
3,前庭機能とはどういうことですか?
「小解剖学書より」
上の図は内耳の略図です。
平衡感覚の受容器は上の図の左側にある半円形の三本の半器官と真ん中にある前庭器官の卵形嚢と球形嚢にあります。
三本の半器官は三半器官といわれますがそれぞれの半円がお互いに対して90度の角度を保っております。
(前半器官は額面位、外側半器官は水平位、後半器官は矢状位)
そしてこの三半器官にはそれぞれに膨大部があります。
これを膨大部稜といいます。
また、卵形嚢と球形嚢にもそれぞれ肥厚部分があります。
これをそれぞれ卵形嚢斑・球形嚢斑といいます。
この卵形嚢斑と球形嚢斑をあわせて平衡斑ともいいます。
この膨大部稜と平衡斑には同じ感覚上皮が配列しております。
この感覚上皮は有毛細胞と支持細胞からできております。
感覚をあつかうのはこの有毛細胞です。
この有毛細胞には一本の動毛と60−80本の不動毛があります。(下図参考)
「コンパクト生理学より引用」
この動毛と不動毛はゼラチン様物質(糖蛋白層)のなかに入っております。
このゼラチン様物質の上には平衡石(耳石、平衡砂)(炭酸カルシウムからできている)が乗っております。
直線の加速度が加わると重力によって平衡石を乗せたゼラチン様物質が傾きます。
そうすると、有毛細胞の毛(腺毛)も一緒に傾きます。
この腺毛が傾くことによって興奮がおこります。
いっぽう回転の加速度が加わると、半器官の内部の内リンパの流れに影響をあたえます。
この回転が終わると内リンパ流の慣性によってゼラチン様物質を通して有毛細胞の腺毛を動かします。
この有毛細胞の腺毛が動くようになって興奮がおこるとそれが前庭神経の末端の求心性神経を通して中枢に伝えられるようになります。
これで、平衡斑では頭の位置の変化や体の直進運動が感知されますし、半器官の膨大部斑では体の任意の方向の回転に対してその方向と程度が正しく認識されるわけです。
「眼振」は回転運動の始めと終わりにあらわれますが、これは視線を注視点に集中するための反射運動です。
4,「めまい」の原因はなんですか?
「めまい」の原因は多様です。
*内耳障害
メニエール病ーー→「メニエール病」の項目を参考願います。
細菌感染
ウイルス感染ーーーおたふくかぜ
外傷ーーー骨折
*良性発作性頭位眩暈症
頭位の変換で激しいめまいを感じます。
*前庭神経の障害
神経炎ーーーウイルス
外傷
*脳循環障害
脳血栓
脳出血
脳炎
椎骨脳底動脈不全症
(高血圧・動脈硬化・不整脈・糖尿病が関与)
*疲労・筋緊張性頭痛に伴うもの
*起立性調節障害
目の前が暗くなるような「めまい」
*薬物
ストマイ
アミノ配糖体抗生物質
抗癌剤(シスプラチンなど)
ある種の降圧剤
アレビアチン
5,「めまい」が起きたらどうしますか?
*「めまい」だけ(嘔吐を伴うことあっても)の場合は安静にして様子をみます。
*「めまい」に手足のしびれ感・麻痺・舌のもつれなどが加わった場合には脳神経系の障害が疑われます。
*「めまい」に耳の詰まった感じ・耳鳴り・難聴が合併したときには内耳の障害が考えられます。
*以前から高血圧・糖尿病・心臓病・高脂血症のある人は特に気を付けましょう。
意識障害・手足の麻痺を伴うとき。
総合病院の救急外来を受診して、救急処置ならびに画像検査を受けます。
激しい回転性の「めまい」が続く場合は点滴をおこないます。
それでも良くならないときには数日から1週間入院して治療を受けます。
小脳・脳幹部の障害による「めまい」が疑われるときはその検査をおこないます。
亜急性期の場合には
原因に応じた、内服治療をおこないます。