
舌にはどんな役割があるのでしょうか?
味覚:物を食べたときには甘さ・辛さ・苦さ・酸っぱさなどを感じますが、舌はそのような味覚を
感じる器官であります。
嚥下:また、食べ物は飲み込まれて食道から胃へと運ばれますが、この「飲み込み」の時に
他の筋肉と一緒に共同作用を行い、嚥下作用を助けます。
発声:そして、声を出したり、話をするときには舌の位置・形が重要ですね。
舌はほとんど筋肉(横紋筋性の)でできております。そして、その表面は粘膜で被われております。
上の図は舌を上から眺めた模式図です。
舌は前から舌尖・舌体(図では舌背)・舌根にわけられます。
前2/3は大きく舌体に入ります。後1/3は舌根になりますが、その間は分界溝でわけられております。
舌背と舌縁の粘膜はでこぼこしており、隆起・小突起があります。これを舌乳頭といいます。
そして、この舌乳頭の中には「味」(味覚)を感じとれる「味雷」が含まれているものがあります。
舌乳頭
| 種類 | 分布 | 形 | 味蕾 |
| 糸状乳頭 | 舌背全面(密) | 鋸状 | なし |
| 茸状乳頭 | 舌背全面(粗) | 茸状 | 少数あり |
| 葉状乳頭 | 舌縁の後部 | 襞状 | 少数あり |
| 有郭乳頭 | 分界溝の前 | 円台状 | 多数あり |
「舌は筋肉でできている」と言いましたが、この筋肉は大きく内舌筋と外舌筋の二つにわけられます。
舌内筋は舌本体を作っている筋肉です。
内舌筋
| 内舌筋 | 所在 |
| 縦舌筋 | 舌の上部と下部 |
| 横舌筋 | 舌の中部 |
| 垂直舌筋 | 舌の上下に走る |
外舌筋(図参照)
舌の外部から舌に分布する筋を外舌筋といいます。
それぞれオトガイ・茎状突起・舌骨などの骨を支点にして舌へ繋がっていきます。
これらの筋肉が相互に作用すると、舌の複雑な動きができるわけです。
これら内舌筋・外舌筋の運動は舌下神経の支配を受けております。
舌の神経支配は図を参照ねがいます。
舌の運動
舌下神経:第]U脳神経で、舌の運動をつかさどります。
舌の味覚
鼓索神経:第Z脳神経の顔面神経の枝の鼓索神経が舌の茸(じ)状乳頭に分布して、
味覚をつかさどります。
味覚線維は舌の前方2/3に分布します。
舌咽神経:第\脳神経で、葉状乳頭と有郭乳頭に分布して、味覚をつかさどります。
味覚線維は舌の後方1/3に分布します。
上喉頭神経:第]脳神経の迷走神経の枝で、喉頭蓋の味蕾に分布して味覚をつかさどります。
舌の知覚
舌咽神経:舌咽神経の知覚線維は口咽頭・口蓋舌弓・耳管・舌の後方・鼓室などに分布して、
内臓知覚をつかさどります。
舌神経:第X脳神経の三叉神経の第3枝の下顎神経の枝の舌神経は舌粘膜の前2/3に
分布して、舌・舌下腺・顎下腺などの知覚をつかさどります。
味覚は味蕾のなかにある味細胞(味覚細胞)という受容器を介しておこなわれます。
一つの味蕾の中には40−60個の味細胞があるといわれております。
そして、成人は大体2000個(4000-6000との記載もあり)の味蕾を持っておりますが、
老化とともに減少していきます。
この味蕾の頂点には味孔があって、ここで味物質が味細胞の受容器を刺激して興奮をおこさせます。
この興奮は味覚神経線維を介して中枢に伝達されていきます。
味の種類には大雑把に酸味・塩味・苦味・甘味があります。
| 味の種類 | 舌の部位 | 備考 |
| 酸味 | 舌の側端 | Kイオンチャネルを特異的に遮断します。
酢酸・ギ酸・乳酸・硝酸・塩酸など |
| 塩味 | 舌の側端 | Naイオンの細胞内流入が関与しております。
食塩・塩化カリウム・沃化ナトリウムなど |
| 苦味 | 舌の基底部 | 苦味に対する特異的な受容体があります。
キニーネ、カフェイン・塩化マグネシウムなど |
| 甘味 | 舌の先端 | 甘みに対する特異的な受容体が存在します。
しょ糖、グリコール、アルコールなどなど |
味覚障害は様々な原因でおこります。
しかし、はっきりとした原因のわからない特発性味覚障害が一番頻度が多いようです。
味覚障害の原因
特発性
末梢伝導路障害
中枢性神経障害
口腔疾患によるもの:炎症・腫瘍
ウイルス感染・梅毒
多発性神経炎・顔面神経麻痺
全身疾患の部分症状としてくるもの
亜鉛欠乏によるもの
薬剤による副作用
心因性のもの・ ヒステリー
生活習慣によるもの:タバコや酒の飲み過ぎ
外傷
放射線照射によるもの